肝臓の働き1 H20.5月15日
腎臓は、背中側、ウエストの上、背骨の左右に一個ずつあり、縦10㎝、横5㎝程度の、赤黒いラグビーボールのような形をしています。
腎臓の一番の働きは、血液を漉して尿を作ることです。安静にしている時、正常な腎臓には左右合わせて毎分約1リットルの血液が流れており、その血液を漉して、毎分120㏄の原尿が作られます。でも腎臓は、漏斗のように単純に濾過しているわけではありません。原尿がそのまま尿として排せつされたら、10分足らずで脱水になり、血圧が下がって大変なことになります。そうならないのは、水分や、原尿に漉し出された糖分、アミノ酸、イオンやミネラルなどの必要な物質を、腎臓が再吸収して回収しているからなのです。
水分は、通常99%が回収され、実際の尿として排せつされるのは、原尿の1%に当たる、1日1~1.5リットルにすぎません。また、腎臓は、再吸収の仕組みを用いて、正常な場合ブドウ糖を100%回収しているほか、血液を弱アルカリ性に保つ大切な働きもしています。
そのほか、腎臓にはホルモンを分泌する機能もあって、血圧を調節したり、赤血球を増やす役割まで果たしています。
腎不全で、血液中の老廃物を捨てる能力が正常の10%未満に低下すると尿毒症となり、そのままでは命を失ってしまいます。腎臓の代わりに血液を洗って老廃物を取り除くのが透析なのです。
健康レター 大星クリニック
田中 恵子院長に尋ねる
診療科目/内科・人工透析
枚方市中宮本町7-15 TEL 072(805)0055
平成8年広島大学医学部卒。旧国立大阪病、NTT西日本大阪病院を経て、平成17年より現職。