堂々語る、若者の熱い思い
平成29年度「中学生の主張」発表会
主催 寝屋川市教育委員会 市青少年指導員会
思春期、進路に悩み、他人との関係に苦しみ、日々の出来事に一喜一憂しながら、人との絆を見いだす貴重な時期。そんな青春真っ直中の中学生らの主張は力強く、心に響きます。
12月9日、寝屋川市立中央公民館で「中学生の主張」が催され、同市内の中学生2139人の応募の中から特に優れた12人の主張を本人の朗読で発表しました。
17回目の今回は家族、学校、友人、SNS上のコミュニケーションの問題など、「人間関係」が主題の発表が多く見られました。
中学生になり、改めて家族のありがたさを認識した女子生徒。普段はうるさい母が、仕事で遅くなった日の、子どもらだけの夕食時の味気なさ、寂しさ。そして家事の大変さが分かったと発表し、「母を越えるのはまだまだ無理」と。根性と気合いで毎日頑張る母へ、「ありがとう」と伝えます。
アレルギーに苦しむ男子生徒は、小さい時から苦しみながら続けている「原因食を少しずつ摂取する治療」に、「治してあげたい」という一心で協力してくれる母や、自分を心配して見守ってくれる同級生、共に歩んでくれる主治医への感謝を。「将来医者になり、アレルギーの原因を研究し、自分と同じように苦しむ人を助けたい」と宣言しました。
そして視点は身近なところから社会・世界へと。「太平洋戦争」について二人が発表。
ガダルカナル島の陥落を知り、調べ、多くの日本兵が戦場に取り残され飢えに苦しみながら死んだことがたった1世紀前の出来事で、教科書では1行の説明で済まされていることにショックを受けたこと。もう一人は「知覧特攻平和館」を訪れ、自分と変わらない年齢の少年らが特攻隊として出撃していたことにやるせなさを表します。「どれだけやりたいことがあっただろう…」。共に彼らの苦しみを忘れてはいけない、同じ過ちを繰り返してはならないと強く訴えました。
「戦争」の対義語は「平和」と思い込んでいたが、「話し合い」という解釈があると知った話も。文化や国家が違えば考え方に相違があるのは当たり前。他者の考えを否定し、非難することが、国家間レベルになると戦争に。争いの無い世界にするために他人の考えを認め尊重することが大切だと訴えました。
また「全国小・中学校リズムダンスふれあいコンクール」全国大会での優勝の報告には温かい拍手が。厳しくもダンスの楽しさを教えてくれた先生への感謝と「多くの壁を乗り越えた仲間を忘れない!」と。
中学時代の仲間との出会いは素晴らしい奇跡、共に歩んだ経験は一生の宝物。「絆」を胸に、力強く意見を述べる彼らの前には、広い世界が待っています。