【星降る丘から健康便り】眼科⑤ 慢性緑内障
緑内障は現在、日本では失明の一番の原因と言われ、目で見えた物を脳に伝える神経が死んでいく病気で、一度死んだ神経は元には戻りません。たくさんの種類がありますが、大きく分けると「急性緑内障」と「慢性緑内障」に分けられます。 慢性緑内障は、緑内障全体の70%を占めています。徐々に視野が狭くなっていき、悪くなると失明する場合もありますが、進行がゆっくりの場合はそんなに心配する必要はありません。現在緑内障と言われている人で、もしかしたら失明するのではと不安な方は、一度緑内障専門医
に診てもらったらよいでしょう。緑内障の治療の目標は、目の寿命を延ばすことです。自分の目の寿命があとどのくらいあるか、数年間の視野検査データがあれば判断することができます。
目の寿命を延ばすために、有効な方法は眼圧を下げることです。そのために目薬をしてもらったり、レーザーや手術をすることがあります。
よく患者さんから「緑内障は手術できないのでしょう?」というご質問を受けます。確かに手術で治るということがないため、そう言われるのでしょうが、正解は「手術しても良くはならないが、視野が守れる」です。
実際、当院では1年に300件を超える緑内障手術を行っています。手術により、視野が良くなることはほとんどありませんが、悪くなるのを抑え、目の寿命を延ばすことができます。
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眼科部長医学博士 大浦 淳史先生
日本眼科学会専門医・眼科PDT認定医・身体障害者福祉法指定医
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641