「ケガ」(外傷)の治療 平成17年6月15日号
親指、人差し指、中指、薬指(親指側半分)のシビレを自覚したり、夜、目が覚めるほど痛んだことはありませんか?シビレをガマンしているうちに、ボタンをかけるのが不自由になっていませんか?親指の付け根のふくらみが痩せていませんか?思い当たる方は、手根管症候群であると考えられます。
手根管は、手首の掌側で、手根骨と横手根靱帯に囲まれたトンネル状の部位のことで、指を曲げる腱と正中神経が通っています。この正中神経に圧迫が加わることで、症状が出るのです。
女性、とくに妊娠出産期と更年期に多く、両側性のことも稀ではありません。手をよく使う職業の方、糖尿病、関節リウマチ、長期間、血液透析を受けている方にも多いです。
手部根管を叩くとシビレのある指先に痛みが走る、手首を掌側または甲側に折ったままにしておくとシビレが強くなる、などで診断します。また、電気生理学的検査で、正中神経伝導速度が遅くなっていることも診断の根拠となります。
治療としては、頸椎症など他の疾患を除外した上で、安静、消炎鎮痛剤内服、ステロイド注射などの保存的治療を行い、回復の思わしくない場合に手術治療を行います。手術としては、小切開で行う場合と、内視鏡的に行う場合がありますが、横手根靱帯を切って、正中神経の圧迫を取ることが基本となります。日帰りか、一泊の入院で手術は可能です。思い当たる方は、お気軽にご相談ください。
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