耳鼻咽喉科② 突発性難聴
突発性難聴は生来健康で耳の病気をしたことのない人が、明らかな原因もなく、突然に通常片方の耳が聞こえなくなる病気で、突然の難聴と同時に、耳鳴りや耳閉感、めまいや吐き気を生じることもあります。一般には50〜60歳代に多く、男女差はありません。聴力検査で感音難聴を認め、ウイルス感染や内耳循環障害が原因でないかと考えられていますが、未だ発症原因は不明でどのような治療法が最も有効であるか現在も検討されています。
発症前に精神的、肉体的疲労感(ストレス)を感じていることが多く、心身共に安静にして、ストレスを解消することが重要です。難聴の程度によっては入院治療が望ましい場合もあります。
治療は、副腎皮質ホルモン、ビタミン剤、内耳循環改善剤、血管拡張剤などを内服したり、点滴をしたりするのが一般的です。経過は急速に難聴が改善することもありますが、治療開始後より少しずつ回復する場合や全く改善しない場合もあり、様々です。
発症後2週間以上経過すると予後が不良と言われているので、異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。特に軽症の場合、「そのうち良くなるだろう」と様子をみている患者さんが少なくありませんが、早期治療が非常に大切ですので注意しましょう。
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医学博士医長 濱田 聡子先生
日本耳鼻咽喉科学会専門医・同学会補聴器相談医・補聴器適合判定医・身体障害者福祉法による指定医・日本めまい平衡学会認定めまい相談医
星ヶ丘厚生年金病院
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