運転のための視力 平成21年5月1日号
車がなくてはならない現代社会にとって、運転免許はなくてはならないものです。「もうすぐ免許の更新なのですが、無事通るでしょうか?」と、相談に来られる方もたくさんいらっしゃいます。
普通免許に必要な視力は、片眼で0.3以上、両眼で0.7以上です(眼鏡・コンタクトレンズ使用可)。片眼の視力が0.3に満たない場合は、他眼の視野が150度以上で、視力が0.7以上あればOKです。
眼鏡を装用しても、右記の条件を満たさない場合は、残念ながら免許の更新をあきらめるか、もしくは視力低下の原因となっている病気があれば、その治療が必要です。年配の方で一番多いのは白内障による視力低下ですが、この場合は手術によってほとんどの場合、視力の向上が期待できます。
ただし、実際の車の運転は、視力だけで決まるものではありません。いくら視力が良くても、対向車のヘッドライトが異常にまぶしく感じる、薄暗い所で見にくくなる、物がだぶって見える、日によって視力の変動があるなどの症状がある人は、例えば運転は昼間だけ、短距離に限って行うといった配慮が必要です。また視覚だけでなく、瞬発力、判断力などが必要なことは言うまでもありません。
特に高齢の方の運転免許更新には、色々なことを総合的に判断して、本当に運転免許の継続が必要かどうか、安全に運転できるかどうか、今一度考えてみる必要があると思うのですが、いかがでしょうか?
きたの眼科:北野保子院長
診療所では、場合により在宅医療、往診にも対応。電話予約、電話相談にも応じる。星ヶ丘厚生年金病院、そのほかの病院との病診連携を行っている。
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