「人権について」
関西創価高等学校 3年 佐藤 綾香
私は、昨夏アメリカロサンゼルスに行き、フィリピン出身の方と知り合いました。彼のお母さんは、アメリカで女手一つで二人の息子さんを育て上げられ、彼も大変な苦労と努力を重ね、今はベッカムが所属するサッカーチームの専属シェフとして活躍されています。彼は飾らないとても気さくな人で、そんなすごい地位にいる人とは正直思いもしませんでした。
アメリカは人種のるつぼと言われるだけあって、本当に様々な人が生活をしています。かつて白人至上主義だったアメリカは、黒人を奴隷扱いしていた時代があります。
一人の勇気ある黒人女性のバス・ボイコット運動をきっかけに隔離や差別の撤廃へ公民権運動がうねりをあげ、今や黒人大統領が誕生する時代を迎えました。
しかし差別が完全に無くなったのかといえば、そうではありません。地球上のあらゆる場所で争いや差別は今なお続いています。人間の心に根ざした偏見や蔑視がなくならない限り、差別は形を変えて繰り返されると思うのです。
肌の色、性別、職業、社会的地位などは全て一人の人間をあらわす個性にしかすぎず、決して人間の価値に優劣はないということを今回アメリカに行って改めて学んだ気がします。一対一の対等な人間として心を通わせていこうと努力し、認め合い、尊重し合う中に、平和な社会が生まれるのだと感じました。