目の奥の痛み 平成20年10月1日号
私たち眼科医を悩ませる訴えに、
「目の奥の痛み」があります。もちろん目の病気から起こる場合も多いのですが、目以外の原因で起こる場合もあるからです。
診断のためにはまず患者さんに、痛みの範囲、痛みの種類(重い痛み、刺すような痛み、ピリピリするような痛みなど)、痛みの起こり方(急性か慢性か)、持続時間、随伴症状などをお伺いします。
目の奥の痛みの原因となる目の病気には、緑内障、眼球または眼球周囲の炎症、眼精疲労、ドライアイ、帯状疱疹などたくさんあります。これらは、眼科医の守備範囲とも言える範ちゅうですが、それよりも多いのは片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛などの頭痛に伴うものです。それぞれに特徴的な前兆、誘因、随伴症状などが見受けられます。また、ストレス、過労、不眠などの噴き出し口として現れる場合もあるといったことも、診断を難しくしている要因だと思います。
なんといっても緊急性が高いのは、動脈瘤、くも膜下出血です。この場合は、「何月何日何時に○○をしている時に起こった」といった具合に、発症日時がはっきりしているのが特徴で、多くの場合、今までに経験したことの無いような痛みと表現されます。瞳孔不同や複視、眼瞼下垂を伴うこともあります。 少しでも疑わしい場合は、脳神経外科にコンサルトし、至急MRIやMRAなどの画像診断を行う必要があるのです。
きたの眼科:北野保子院長
診療所では、場合により在宅医療、往診にも対応。電話予約、電話相談にも応じる。星ヶ丘厚生年金病院、そのほかの病院との病診連携を行っている。
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